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雑記「Don't call me, Henry」
 
ユートピアへの鍵
「誰かに来てもらいたくなる」部屋を作るためには、
まずはベッドにこだわるべきだ、というのが私の持論です。
というのも、長い間部屋の中で談話したり、遊戯に興じるならば、
座り心地の良い場所を提供することは、至極当然の礼儀と言えるからです。

広い部屋ならば、少しばかり上等なソファとクッションを揃えれば良いのですが、
狭い空間の好きな私の部屋に、それらのインテリアを置くと、
座る場所が確保される反面、足の踏み場が無くなってしまうのです。
(これならソファを置かずに、床に絨毯を敷いて座れば同じことだろう!という具合)
私にとって、ベッドは心地よい安眠の場所であるのとともに、
最適なベンチでなくてはならないのです。

それゆえに、私が、まず部屋を模様替えするときに真っ先に重要視すべきだと思うのは、
「ベッドだ!」という結論に至るわけなのですが。
このベッドの型にも色々持論がありまして、
ソファベッドだと、眠る際に関節部分の隙間が気になって眠りにくくなりますし、
ロフトベッドだと、ベッドに腰を掛けると床に座った相手と、
見下ろす&見上げるという姿勢が、居心地を悪くしてしまうかもしれません。
結局、最終的に行き着くのは、やっぱり普通のベッドなのです。

さらに、サイズがシングルであろうとキングサイズであろうと、
高さ40~50cmがベストな形と言える条件だと思っています。
あまりに低すぎると、ベッドの上に座ったお客様は、
足を投げ出すか、完全にベッドの上にあぐらをかくか、しなくてはなりません。
(寝転ぶなんて、ねぇ……無作法な)
逆に高すぎると、さきほどのロフトベッドのような状態になってしまうでしょう。
ゆえに、ちょうど椅子に座るのと同じ感覚で、
足が床にちょうどつくかつかないか、ぐらいの高さのベッドが一番だと思うのです。

また、それらのベッドに加えて、ムーディなシーツや
お洒落で実用的なサイドテーブルがあると、なお良いですね。
会話のテンポや雰囲気作りを、手伝ってくれそうです。

……ということを考えながら、新生活を始めるわけでもないのに、
「Loft」が展開している“新生活応援!”フェアに乗じて、
「ロフトオリジナル ルナベッド」を買いました。
高さは46cm(!)。
なかなか心地よい弾力感が、ちょうど良い感じで安らかな眠りをサポートしてくれそうです。

ただ、マットが黄色(これがルナベッドたる理由?)というのが、何とも……。
広告には“どんな部屋にもぴったりのシンプルなデザイン”とありましたが、
色彩学的にイエローは、人に元気を与える色なのだそうです。
「落ち込んだとき、元気になれる部屋!」作りを勧めているのでしょうか?
それとも、イエローは“Loft”の愛用カラーだからなのでしょうか?
(ボックスシートが薄いと、マットの色が透けて出てきます。)
どちらにせよ、原色の黄色の色彩は強すぎる気がするのです。
いくら元気になれるとはいえ、一人暮らしを始める男の子も女の子も、
黄色い部屋に住みたいかと言えば、いかがなものでしょう?と、思わずにいられないのです。

ベッドは、若い男女が、いつもより少しだけ親密になれる場所。
黄色にムードを求めるのは、酷な気がします。
ということを考えながら、インターネットでLoftのホームページをチェックすると、
ちゃんとファブリックの広告も同じページにありました。

いやはや、何とも。

*
[ ロフトオリジナル ルナベッド/Loft ]
http://www.loft.co.jp/seasonaly/050215/index.htm
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# by katefactory | 2005-02-19 23:30 | 雑貨
日本語の「チープ」は、栄誉ある表現かもしれません。
今日は、化粧品について語ります。

今日、皆さんにご紹介したいアイテムの一つは「白雪の詩(ねば塾)」という石鹸です。
この石鹸は、みんなのクチコミサイト「@cosme」が主催した、
2004年ベストコスメ大賞洗顔料部門で第1位となり、
同ウェブサイトのクチコミランキングでも、長い間第1位をキープしている逸品です。

主にバラエティショップや通販で販売されている製品なのですが、
見た目も地味で、ついつい見落とされがちなアイテムかもしれません。
しかし、「クチコミ」と呼ばれる、使用者たちのコメントを見ると、
その“見落とし”が非常に残念なことだと気付くことでしょう。

安っぽいナイロンに包まれた真っ白な石鹸「白雪の詩」は、
見るからに安っぽく、決して購買者の意欲をそそるような作りではありません。
化粧品に限らず、製品にはある程度の信頼感を誘う「ビジュアル」が必要です。
そういうプロモーション意識すら、感じられません。

ですが、実力というものは、絶対に見た目で判断すべきでないと、
この無添加石鹸は使った者にだけ教えてくれます。
低刺激性(刺激はまったくないと言って良いほど)、洗顔後のつるつる感、
汚れがすっきりとオフされたという満足感など。
多くのユーザーが、使用後に初めて、白雪の詩の素晴らしさに気付きます。

そして、もう一つ紹介したいアイテム「椿油(大島椿)」も同じです。
こちらも@cosmeのベストコスメ大賞で3年連続総合部門で大賞を受賞し、
ヘアケア部門では、ロングランヒットを飛ばしているアイテムです。

主にドラッグストアなどで扱われ、その安さからは想像し得ないほど、
髪の艶や質感をアップしてくれる秀逸なヘアケアアイテムです。
購買客の年層を選ばず、下は10代から上は70、80代の婦人まで、
愛用しているという髪用オイルです。

こちらも、いかにも「チープコスメ」の装いで、
華やかさとはやや無縁のように思われますが、
化粧品に詳しい女性たちですら、魅了し続けています。

世間一般、「チープコスメ」は安くて、使いまわしの良いアイテムを示す言葉と言えます。
スキンケア、メイクアップアイテムに限らず、
ドラッグストアなどで売られている安物の化粧品を指します。
実は、この言葉は一般的なイメージとして、「ただ安い」とか、
有名ブランドのアイテムに比べて「効果が低い」という、
ややネガティブな先入観が働いてしまう差別用語にもとらえることができるのです。

しかし、私は、こういう「大島椿」や「白雪の詩」を実際に使ってみると、
「チープ」であるということは、低コストで安価なものを作り、
結果的に、ユーザーのニーズを満たす理想的な形態であるように思わされました。
(経営者としての考え方では、低コストで高利益が一番の理想かもしれませんが)

確かに、シャネルやランコム、ディオール、アルビオンなど、
値段が高い化粧品を買うと、自分が贅沢をしているようで気分も良いですし、
優雅なレディになったような気分を味合わせてくれます。
これは、高級化粧品の特権ですし、
そういう気持ちになりたくて購入する購買層には、ぴったりの商品でしょう。

しかしその反面、できるだけ安いお金で美しくなりたい、と思っている人にはどうでしょうか?
当たり前のことなのですが、「安くて綺麗になれる」製品は、夢のアイテムです。
そうすると、安価というだけで「チープコスメ」という蔑称で呼ばれているアイテムが、
実は、高級化粧品と同等の力を持っている商品であったら?と考える人も多いはずです。

ビジネスという観点から見ると、
粗利が高い化粧品は、収益の点では優秀ではありますが、それはメーカー寄りの考え。
逆に、可能な限り安価できちんとした利益を確保するというのは、ユーザー寄りの考え。
そういう見方もできるわけで、
両者が同等の支持率を持つとき、顧客のロイヤルティが高いという点では、
両方とも優劣つけがたい価値を持っていると思うのです。

昨今、メイクアップアイテムには、アクセサリー的な魅力を求める人が多くいます。
何故ならば、メイクアップアイテムはポーチに入れて持ち歩くので、
少しでも高級感のある方が、ゴージャスさを演出できるからです。
一方、スキンケアアイテムには、製品がアプローチするトラブルに注目が集まります。
例えば、敏感肌用とか、毛穴が引き締まるとか、ニキビが無くなるとか。
前者はポジティブなイメージ、後者はネガティブなイメージを強調したプロモーションで、
自社製品が優れたものである、と世間の女性たちにアピールします。
そして、高い利益を得ているのだ、と言っても差し支えないかと思います。
化粧品というのは、やはりプロモーションが左右する商材でもあるのです。
(批判的に聞こえたら、ごめんなさい)

今回「白雪の詩」と「大島椿(椿油)」を紹介したのは、
現代の流行に対して、アンチテーゼを唱える、王道の製品だと思ったからです。
単純なコンセプトで、シンプルな効果が魅力の「チープコスメ」たち。
その素朴さに溢れた品々は、日本ゆえに生まれた、誇らしき美の結晶なのかもしれません。

今日は、どうしても、そのことをあなたに伝えたかったのです。
日本で生まれたものを日本人が愛する、という心持ちを知ると、
何故だか私は嬉しくなるのですから。

*
[ 白雪の詩/ねば塾 ]
http://www.neba.co.jp/
[ 椿油/大島椿 ]
http://www.oshimatsubaki.co.jp/
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# by katefactory | 2005-02-18 23:41 | 化粧品
宝島、Amazon.co.jp
Amazon.co.jpは、私にとって「こんなものが欲しかった」というウェブサイトかもしれません。
欲しいものが簡単に便利に素早く手に入る。
それだけでも十分魅力的ですが、
それ以上に、今まで決して手に入らなかったものが手に入るという魅力に溢れています。
柏原兵三先生著「長い道」は、私が長年探し求めた宝物でした。

この「長い道」という作品は、映画「少年時代(1990年公開:篠田正浩監督)」の
原作になった、柏原兵三先生の自伝的小説です。
私は、この「少年時代」フリークの一人です。

初めて、この映画に触れたのは、公開よりずっと後のことでした。
小学校六年生のとき、秋の学習発表会で、
主題歌「少年時代(井上陽水)」を合唱したのが、最初の出逢いです。

映画の方は、大学一年の春に、初めて見ました。

太平洋戦争が終わる一年ほど前に、集団疎開で富山に移住する主人公、シンジ。
シンジは、疎開先の少年たちの間に確立された「社会」を体験します。
その社会のヒエラルキーの頂点に立っている、リーダー格のタケシ。
「少年時代」は、この二人を中心として、物語が展開されていきます。

無垢な素直さと屈折した大人としての一面を併せ持つ少年たち。
リーダーであるプライドから、シンジに素直に友情を表せないタケシ。
そしてそれに困惑する、シンジ。
この映画では、幼いながらも激しく生き抜いていく少年たちの姿が、
色鮮やかに映し出されています。
ヒトラーには敬礼しなかったタケシが、
最後の最後、主人公に別れを告げる際、敬礼する姿がとても印象的でした。

私は映画を観た後、「少年時代」の虜になってしまいました。
主題歌のシングルCDを買うために、日本橋(大阪の電気街)をひたすら歩き回りました。
藤子・A・不二雄先生の漫画「少年時代」を探して、ミナミ中の書店や古本屋を探しました。
しかし、それぐらい心を奪われた作品に出会ったというのに、既に時は遅し。
原作の一つ「長い道」は絶版になっており、手に入れるのは絶望的でした。
当時はそのことを、事あるごとに悔やんだものです。

……しかし、今日、ふと思い出してAmazon.co.jpで検索してみると、
数秒で見つかったではありませんか。
「これって、奇跡?」「ええ、奇跡ですとも!」
そう叫びたいくらい、狂喜しました。

インターネットの恩恵って、こういうものでしょうね。
今日は、素晴らしきウェブサイトに乾杯したい気分です!

余談ですが。1500円以上で送料無料という“仕掛け”が上手いなぁ…。
オンラインショッピングをすると、1500円以上は絶対買ってしまうものですから。
しかも、それが本数冊で送料無料になるというのは、
個人的にはツボを押さえられた、バランス感覚の良いサービスです。

*
[ Amazon.co.jp ]


[ 長い道/柏原兵三(著) ]


[ 少年時代/藤子・A・不二雄(著) ]

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# by katefactory | 2005-02-17 23:18 | インターネット
私、実はアンチブログ派なのです。
それなのに、毎日ブログを書いています(まだ、5日目ですけどね)。

今まで、何度かブログに挑戦しましたが、
開設するたびに、大抵一ヶ月くらいで飽きてしまっています。
「日記を書くと三日坊主で終わる」という話はよく聞きますが、
一日で書かなくなったこともあります。

ブログを利用すれば、確かに簡単にデザインの綺麗な仮想ホームページを持てますし、
ちょっとした作家気分も味わえます。
htmlは苦手だけど、インターネット上でテキストを公開したいという人には、
まさに理想のプログラムなのだろう、と思います。

しかし、ブログが流行する前からのテキストサイト運営者にしてみると、
少々手ごたえが無さ過ぎるんですよね。
昔は、自分の書いた日記なり記事なりを人に読んでもらうために、
本の装丁を工夫するように、毎晩毎晩htmlを組むのに苦労していました。
そういう“手間”が、自分の創作物に対して、
愛着の沸くきっかけとして働いていたように思うのです。
それが、ブログだと、少しばかり愛情も薄れている気がするんですよね。
(ホームページは恋人、ブログは浮気相手、ぐらいの愛情の差でしょうか)

じゃあ、何故、私はこのブログを書いているんだろう?って感じですよね?
その答えは、ホームページとは、少しだけ雰囲気の違うコンテンツを作りたかった。
そういう安易な気持ちからの行動です。

そう。ブログって、ユーザーにとっては、その“安易”さと便利さが、
最大の魅力なのだと、自分で納得しています。
だから、自分でも利用しているんだな、と思って今日もエントリーします。

今日の投稿で、何故こんな話をするのか、と言いますと、
最近、学生時代の後輩から就職活動の相談を受けていることもあり、
アドバイスの下調べ…とばかりに、「就職活動系」のウェブサイトを探していて、
“就活日記”なるものを、色々発見したんです。
求人応募系サイトで使えるものから一般のブログまで、形式はさまざまでしたが、
今就職活動をしている子が、いろいろ自分の就職活動について書き綴っているのです。

自分の就職活動の記録をつけたり、文章にすることで反省点を見い出したり、
ときには愚痴を書きなぐって、明日のためにやる気を出そうとしていたり。
トラックバックを見事に使いこなして、情報交換につなげたり。
年はそんなに変わらないのに、最近の子は賢いな、と感嘆しました。

だけど、正直怖いなー、とも思いました。
社名や自分の顔写真、ネガティブなコメントを載せている人もいますし、
彼らの日常生活の公開という行動にすら、
「読者……もしかしたら、人事関係者に悪い印象を与えてしまうかもしれないのに、
 そのエントリー、“安易”過ぎませんか?」
と、危うさを感じてしまったのが率直な感想です。

だって運の良し悪しに関わらず、関係者に閲覧される可能性があるじゃないですか?
社名などの文字情報はGoogleやYahoo!で検索をかけると簡単に絞り込まれますし、
顔写真なんて、読者に自分は「こんな人です!」って言うようなものでしょう。
(そういうアピールの仕方、就職活動ではどうなんでしょう……)
インターネットは、正に二次情報で出来た情報のメカニズムであるのに、
それを意識せずに利用するのは、
自分から誤解を生もうとしているようにしか思えないんですね。
誰も見ないだろう…という甘さが命取りになる場合があると考える私は、
臆病者なのでしょうか。
(私が人事部に勤めるなら、最低限「社名」「新卒」「内定」など採用に関わるワードで、
 ネット上の情報を収集しますが。最終面接官を任せてもらえたのなら、なおさら)

私は、そういう危なっかしい使い方をするなら、
就活日記を、第二の履歴書として使用することを考えてみては?と思ったのです。
面接のとき、緊張して論理が破綻したり、上手にアピールできなかったり、
つい失敗してしまうこともありますよね?
ES(エントリーシート)の片隅に、URLをちょこっと記載しておくことで、
最悪の場合に備えて、防衛線を張るのです。
(人事の方に見ていただける可能性は薄いでしょうが、ゼロではないですよね?)

「就活日記」のこういう使い方を、小ずるいものだとは思わないでください。
面接では、あなたという人間を理解するには限界があります。
エレベーターピッチを実践できるスキルだけが、必ずしも優位に働く場ではありません。
けれど、会社にしてみれば、あなたという人間をできるだけ理解した上で
採用できるというのなら、それに越したことはないのだと思います。
自分にも会社にもリスクを負わせない。
これは、“WIN-WIN”の法則による発想なのです。

私はアンチブログ派の人間ですが、
簡易なコミュニケーションツールとしての価値は、十二分に認めてます。
最近では、企業の社長が直接書いているブログもたくさんありますし、
そこへコメントを残したり、トラックバックする学生も多いようです。

しかし、二度目(三度目?)になりますが、結局私はアンチブログ派です。
ただの“テキスト書き”にしてみると、
ブログは、雇われストリッパーみたいな気分にさせられるのです。
きっと、上に書いたような価値を見い出し、巧みに使いこなせるようになるまでは、
私は一生アンチブログ派のままなのでしょう。
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# by katefactory | 2005-02-16 23:33 | インターネット
絶妙なポリシー
今日、雑貨屋「イノブン」のオンラインカタログを眺めながら、一人物思いに耽っていました。

私が関西に住んでいた頃、よく通っていたのは、四条河原町にある店舗でした。
地下一階から五階まで、階層ごとにあらゆるジャンルの雑貨が揃えられ、
本当に安価でなかなか趣味の良いものが見つかるので、御用達店舗にしていました。

当時、私が、その店に通って買ったものと言えば、
キャンドルにアロマオイル、ステーショナリー、サイドテーブル、
錆付き加減が好みにマッチしたキャンドルホルダーなど、
あれやこれやと、まさに非生活必需品ばかりでした。
唯一、生活必需品かと思えそうなキッチン雑貨ですら、
ミルクピッチャーだったという、悲惨な買い物事情です。
(しかも、ミルクを入れておくためではなく、
 アイスティーを水出しで淹れるために購入しました)

最近は、そういった無駄遣いをやめて生活必需品を買おう、と心がけているのですが、
やはり「イノブン」は、私にとって最愛の浪費場所なのかもしれません。
覗くと必ず欲しいと思えるものを用意して、待っていてくれるのです。

今日、欲しくなったのは、
ムーミン木製マッサージャー(スナフキン) ※ツボ押し:リラクゼーションアイテム
Preiser(プライザー)盆栽フィギュア 年老いた旅行者たち ※置き物?
の2点。全く、生活には関係ありません。

私はこの2種類の雑貨に対して、心の底から欲しいと思うわけではありませんが、
買ったからといって、きっと無駄遣いだと思わないでしょう。
買うかどうかは迷うのですが、買ったとしても後悔はしないでしょう。
私は、そういう曖昧で“痒い”ニーズに応えてくれる「イノブン」が、大好きなのです。

話は変わりますが、こういう宙ぶらりんなニーズに応えることも、
非常に大事なことなんじゃないかと私は思うのです。
顧客が本当に欲しいものをただ与えるのではなくて、
「満足はしなくとも、買って後悔はさせない」アプローチというのは、
非常に消極的なようなイメージを受けますが、
ものすごく困難で、商品力やブランドに自信が無ければできないことでは?と思うんです。
だからこそ、それができるブランドというのには、私は一目置くようにしています。

特にここ数年では、資生堂のブランド「マジョリカマジョルカ」に、
そういう印象を抱いています。

私の印象では、「マジョリカマジョルカ」は、ただの「アナ スイ」の模倣です。
(デザインやシンボルを見て、そう思われた方も多いのでは?)
独特の世界観が受けている「アナ スイ」は、
「アナ スイ」や「スイドリームス」をはじめとしたフレグランスや、
薔薇の香りのする口紅に仕上がる「スイ ルージュ」シリーズなど、
秀逸なメイクアップアイテムを、星の数ほどプロデュースしています。
(まるで、サタン様が一心不乱につくったレイヴ・カラー(ネイルカラー)、とかいかがでしょう!)
しかし、「アナ スイ」は、10代の女の子には、少々高めの価格設定のように思います。
お化粧初めの女の子が手を出すには、少々抵抗があるお値段ではないでしょうか?

けれど「マジョリカマジョルカ」は、「アナ スイ」と同じように、
独自のゴシック調の世界観を、ブランドイメージに反映させつつも、
ドラッグストアでも販売し、価格をワンランク低く設定。
メイクを初めて楽しもうとする女の子でも、「アナ スイ」に比べて買いやすいように思います。
それに加え、「マジョリカマジョルカ」は、化粧品としての効果以外でも、
「シャドーカスタマイズ(¥525/税込)」のようなコレクター精神をくすぐるアイテムを揃えたり、
ユニークなネーミングやコンセプトを主張したり、
「持つ」「集める」「飾る」「眺める」など、さまざまな魅力にあふれたアイテムを発売しています。

「マジョリカマジョルカ」って、そういう付加価値がとても強い力を持っているから、
たとえ化粧品の効果が期待通りでなかったとしても、
顧客の信頼を失い難いブランドなのではないでしょうか。
(寧ろ、メイクアップブランドである必要性すら疑わしいものです)
同時に、それはメイクアップ効果を期待しない女性ですら、
サブのチャームポイントに惹かれ、購入する人も多いのでは?と思うのです。

さらに、そういう購買層の女性って、
もともと発色の良さとかメイクがイメージ通りに仕上がるかどうかが、重要な目的でなく、
「可愛いから買っちゃった♪」という物欲を満たすニーズを持っている顧客ですよね?
私のまわりにも、「マジョリカマジョルカ」のユーザーの場合、
そういう嗜好の女性が割合多いのですが、
彼女たちは、積極的にコアユーザーになって愛用するわけではないけれど、
”可愛いし安いから”買う一ユーザーたちだと思うのです。
見た目で可愛いか可愛くないか。
値段が高いか安いか。
一目瞭然な、シンプルな基準で判断し購買するから、
購買前に、後々のトラブル発生を自制してくれているとも言えそうです。
私には、彼女たちって、「愛してる!」と思ってるユーザーに比べて消極的に見えても、
実はロイヤルティが高まっていくだけの、美味しい顧客に思えるんですよね。
そういう顧客を抱えるブランドって、
きっと恐らく大手ブランドとか有名ブランドと呼ばれるより、
実質作るのが難しいし、強いブランドだと思うのは私だけでしょうか。

独特のポリシーを貫くことと、世間のニーズとのバランス感覚を
絶妙に擦り合わせて、“遊び心”という意外な角度からニーズを満たすブランド。
そういう存在は、早々廃れたりはしない気がするんですよね。

だからこそ、メンズコスメでも、そういう遊び心にあふれたブランドが欲しいなぁ、なんて。
ふと、そう考えることが、しばしばあるんです。
「持っている」。ただ、それだけでステータスになりそうなアイテム……うーん。

さて、話が長くなりそうなので、
メンズコスメのプロモーションに対するコメントは、本編で、また今度。

*
[ INOBUN ]
http://www.inobun.com/index.html

[ MAJOLICA MAJORCA ]
http://www.shiseido.co.jp/mj/

[ ANNA SUI ]
http://www.annasui-cosmetics.com/
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# by katefactory | 2005-02-15 23:51 | 雑貨
レディ・ゴディバ
2月14日といえば、バレンタインデーです。
今日、帰宅する途中に山手線に乗ったとき、
運良くも、通称「ゴディバ・トレイン」に遭遇しました。
車内広告は、ゴディバのバレンタインコレクションの広告一色。
まさに、ゴディバ・トレインでした。

今回のコピーは、バレンタインチョコ=固く閉じられた男性の心を開く鍵、
というような、恋愛のシチュエーションやイメージたっぷりのキャッチで、
消費者の購買意欲を誘っていました。
これは食品というより、化粧品の宣伝に近い広告なのかな、と
馬にまたがった女性(この女性が、レディ・ゴディバ?)を眺めながら、
ぼんやりと考えていました。

ただ、ゴディバの広告を見て思ったのは、
「チョコレートが美味しい」とか、「彼に想いを伝えましょう」という内容より、
「バレンタインデーという聖なる日に、ゴディバのような女性になれ!」と謳っている方が、
私には強い印象を残したんですね。
「ああ。それで、化粧品の広告に近いんだ。なかなか面白い売り方だな」と、
妙に納得したところがありました。
刺激したのは「ただの恋愛」というよりも、ワンランク上の「自立した女性の恋愛」なんだなと。

女性が化粧をする理由には、いろいろあるかと思いますが、
どんなTPOであれ、自己アピールという意味合いは否めない気がします。
恋愛が絡めば、特にそう。
可愛らしさであれ、フェミニンであれ、クールであれ、キュートであれ、
兎にも角にも、自己アピール。
キレイなイメージの「私」を主張したい、という気持ちの表れなんだと思います。
(単純なことですが、これってとても素敵なことだと思います)

化粧品の広告(特にメイクアップアイテム)は、それを叶えるための道具だよ、
と訴えかけるようなプロモーションが王道であり、
必ずといっていいほど、
ブランドイメージやブランドの理想像に添う女性モデルを起用してきますよね?

今回のゴディバが通じると思うのは、そこ。
「チョコレートを持つ女性」と「メイクアップしてキレイになる女性」。
「レディ・ゴディバ」と「伊東美咲(ピエヌ)?長谷川京子(ルミナス)?山田優(テスティモ)?」
その変身ステッキが、チョコか化粧品かの違いだけなのだと思いました。
(ただの食品の広告なら、ケロッグ・コーンフロストの方が好きです。グーレイト!)

そして、広告に描かれたレディ・ゴディバの凛々しさや潔さが、
今回の広告の要であり、ゴディバのブランド戦略そのものを表現しているんでしょう。

ただ、結局のところ、広告やコピーのセンスの良さには心惹かれますが、
「ゴディバは高級品」というイメージで、男性に贈る女性も多いんじゃないかな、と思います。
(お金=気持ちの深さ、という打算。
 ゴディバの知識を齧った程度の男性なら、味と値段で充分落せそうですよね?

 ゴディバのホームページに、「ゴディバの名の由来」が掲載されていますが、
 レディ・ゴディバは、聖女ながら、相当強かな女性のように思いました。

 犠牲心や民を思うあまりの行動は、とても気高いものではありますが、
 伯爵との駆け引きにおいては、「聖女」というイメージは罠であり、
 有効なカードだったように思うのです(本人の意思はどうであれ)。
 これは、恋愛における演出に、とても通じるような気がします。
 レディ・ゴディバって、相当賢い“小悪魔”では?)

嗚呼、ロマンティックなムードを壊すようで、ごめんなさい。
いただいたゴディバのチョコレートは、大変美味しかったです。

*
[ GODIVA ]
http://www.godiva.co.jp/
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# by katefactory | 2005-02-14 23:20 | 雑記
司馬遼太郎が考えたこと.1
先日、「ああ。この本を買わなくては!」と
興味を惹きつけられた本がありました。
それは、「司馬遼太郎が考えたこと.1」。
15巻のシリーズで刊行するという、
司馬先生が生前に書き残したエッセイ集の第1巻です。
私は、ろくに司馬先生の作品を読んでいないにも関わらず、
するすると引き寄せられるように、その本を買いました。

私は大学を卒業して以来、
こういうノスタルジックな雰囲気に満ちた本が好きになりました。
「司馬遼太郎が考えたこと.1」には、1953年10月から1961年10月までに、
先生が書いたエッセイがまとめられています。
私が生まれる約三十年前の出来事が描かれている、と考えると、
この本は、まるで昭和時代の歴史の資料のように思いました。

私は戦後という時間に、或る種の幻想を抱き続けています。
だから、こういう戦後特有の“生々しい温度差”のある内容が好きなのです。
厚かましくも、懐かしいとさえ感じてしまいます。

ただ美化してしまっているだけなのかもしれませんが、
戦後の日本を生きた人々の話を聞くと、心打たれることが多いのです。
それは、敗戦直後という、特殊なプロセス(敢えて過程とします)の中で、
若者たちのアイデンティティーが崩壊の危機にさらされることにより、
希望や情熱、素朴さ、逞(たくま)しさ、そして苦悩という人間らしさが、
現代よりも、より鮮明に浮き彫りになった。
そういう哀しい時代性に、郷愁を覚えるからでしょうか。
同時に、現代の若者たちの自我の崩壊が叫ばれて、早数十年。
最も強制的に自我を排他された時代に、純粋に自分らしく生きようとした祖父や父たち。
彼らに尊敬の念を抱くとともに、人格が今より尖っていた自分自身の若き日の姿を重ねて、
少し照れ臭さを感じるのが、無性に心地よく思えるのです。

話を戻しましょう。
この本には、主に先生が記者であった頃(30歳の頃でしょうか)から10年の間に書かれた
89編のエッセイが収録されています。
その中で、私が最も気に入った文章は、こんなくだりです。


  間もなく、私は多忙な職業に就いた。ビル街、ビズィネス、そして、映画、コーヒー、野球見物などのささいな都会的享楽、こうしたものが私の若さを、日の経つのも忘れ、ある限り燃焼させた。この環境におかれた若い魂にとって生と死のことを思い出させることは想像以上に困難である。(-略-)しかし、それでも、死はやってくる。(※1)


私は、先生のこの文章を読み、ただ、胸が震えました。
見透かされている、というのが率直な感想です。
また、それとともに、自分より何十年も前に生きていた人が、
同じようなことを考えていたのか、と考えると、妙に慰められたように嬉しくなりました。

このエッセイ集は、純粋に面白いです。
若い方なら、先人に学ぶことが多いかと思いますし、
ご年配の方なら、一線置いた立場で、若き日を懐かしむことができるかもしれません。
幅広い年層の男性に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

(※1) 『それでも、死はやってくる』より引用。
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# by katefactory | 2005-02-13 22:39 | 小説・文庫本など
開設のご挨拶
読者の皆さま、はじめまして。
以前、私のサイトを見てくれていた読者の方々も、
改めて「はじめまして」。
このブログを覗いてくださって、ありがとうございます。

以前運営していたホームページを閉鎖してから、約一年。
ホームページの運営や執筆作業から遠ざかっていた一年でしたが、
このたび、なんとか新たにホームページを開設することができそうです。

今度のホームページでは、
かねてから興味のあった「メンズコスメ」を専門として、
少しずつコラムや文章を書いていこうと思っています。

本日、それに伴い、プレオープンの記念として、
一足先にブログ「雑記:Don't call me, Henry」を開設します。

この場を、そしてホームページを通じて、
皆さまと交流ができれば幸いです。
これから、よろしくお願いします。

[Metro-Mens.com]
http://www.metro-mens.com/
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# by katefactory | 2005-02-12 23:17 | 開設のご挨拶