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雑記「Don't call me, Henry」
 
ブラザーフッド/何度観ても泣ける映画
何度観ても泣ける映画、というものに出会うことは極稀なことです。
今まで感動超大作からB級映画までさまざまに観てきましたが、
一度は感動の涙を流しても、二度目以降は感動すらしない映画ばかりでした。

私が、この二十数年の間に観た映画で、
何度観ても泣ける映画が3本だけあります。

日本映画なら、篠田正浩監督作品「少年時代」。
ハリウッド映画なら、ペニー・マーシャル監督作品「プリティ・リーグ」。
そして、韓国映画なら、今日のエントリーで紹介する「ブラザーフッド」です。

上に書いた3本の映画は、どれも戦争が関係した映画。
しかし、銃撃戦や戦闘シーンが好きなのではありませんし、
英雄が活躍するストーリーが好きなわけでもありません。
否応なく時代の波に飲み込まれて、
翻弄される人々の生き方が涙を誘うので、好きなのです。

自分ひとりで足掻いてどうにもならない大きな現実を前に、
弱いなら弱いなりの懸命さで必死に生き抜く姿に、共感を覚えます。

*
深夜に入ってからなかなか寝付けず、DVDで「ブラザーフッド」を鑑賞することに。
この作品は、朝鮮戦争に巻き込まれた二人の兄弟の物語です。

兄ジンテと弟ジンソクは、貧しいながらも仲良く過ごしていました。
しかし、朝鮮戦争が勃発。
二人揃って徴兵され、最前線に送られることになります。

兄ジンテは、一日でも早く弟のジンテを生きて帰すため、
大きな功績を立てようと、危険な任務を希望していきます。
弟ジンソクは、自分のためにまわりを犠牲にしていく兄の姿に、
やがて絶望感と憎しみとを芽生えさせていきます。
互いの間にある兄弟愛が強くなればなるほど、逆に溝が深まっていく。
互いに理解し合える余裕が無い、という悲しさを、教えられることでしょう。

二人とも必死に何かを愛し、想い、守ろうとしています。
しかし、徐々にすれ違い合いばかりを繰り返し、そして…。

*
主演は、この作品で韓国のアカデミー賞と言われている、
青龍映画賞で主演男優賞を獲得した、チャン・ドンゴン(兄ジンテ)。
弟ジンソク役には、TVドラマ「秋の童話」などにも出演し、
韓国では今やトップスターの二枚目俳優、ウォン・ビン。
ジンテの婚約者ヨンシン役には、
若くしてこの世を去った演技派女優、イ・ウンジュが出演しています。

*
個人的に一番好きな場面は、離れ離れになった兄弟が、
50年の時間を経て再会を果たすシーン。
このシーンは、何回観ても涙が滲んできます。

ある映画雑誌の紹介に、監督のこんなニュアンスのコメントが掲載されていました。
「この映画は、戦争の歴史を知ってもらいたいというよりは、
 自分たちの祖父母が今も痛みを感じながら生きていることを知ってほしい」

この場面は、「ブラザーフッド」にこめられた想いが、
ダイレクトに、そして鮮明に伝わるのです。
悲しみ、怒り、戸惑い…すべての痛みが、スクリーンに浮き彫りになるのです。

*
私は戦争を経験せずに育った世代。
戦争ゆえの痛みを経験したことはありません。

しかし、私には兄が一人おりまして、同じ境遇だったら似たようなことになる、
兄としての愛情ゆえのを行動に出るのだろう、といつも想像します。
(弟としては、兄の犠牲には絶対にならないだろうと思うからこそ、余計に。
 兄は自分が知っている以上に偉大なのでしょうね、と思わずにいられなくなります)。

世の中の“お兄さん”の中にも、いろいろな形で
弟のために尽くしてきた方も多いのでは?

私は、この映画の兄弟愛の深さを、
いつも身近な問題に置き換えて、ついつい涙もろくなってしまうのです。
特に兄弟がいる男性の方、チェックしてみてくださいね。

*
[ ブラザーフッド ]
http://www.brotherhood-movie.jp/
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by katefactory | 2005-06-14 23:53 | 映画
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