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雑記「Don't call me, Henry」
 
DISCOVER WEST「旅を、終える」
旅は実りのあるものだったか。
私は旅の終わりに、いつもそんなことを考えます。

帰りの新幹線の中、窓の外に移る景色を眺めながら、
数日の間に起こったことを振り返りました。

「DISCOVER WEST」。

「あしたのわたしに、会いに行く」。

言い換えるなら、それは私にとって、
忘れてしまったものを取り戻しに行くことかもしれません。

耳を澄ませば、遠き日の友の声が甦るようでした。

*
先日のエントリーで、私はこう書きました。
「忘れるために、忘れたということさえ忘れてしまうために、
 こんな途方もない夜道の散歩で気を紛らわせながら、
 必死で生きているのかもしれません」と。

しかし、一方で私は、遠い昔に忘れてしまったことを
一つずつ探るように思い出していました。

*
ふと気づけば、新幹線はトンネルの中へと入り、
窓の外の景色は、煤(すす)けた色をしたコンクリートの壁に変わっていました。
少し首を傾げて、窓の向こう、進行方向に視線を投げると、
トンネルの出口辺りに、静かにたゆたう陽だまりが見えました。

私は愛用のi-Pod miniで、そっと音楽を流しました。
曲は、YEN TOWN BAND「Swallowtail Butterfly~あいのうた~」。
学生時代、とても好きだった曲です。

エンドロールにぴったりの歌詞、メロディ。
こういうクサい演出は、時に幼ささえ感じる非日常的エッセンスとして働きます。
それは、まるで熟しきらない無花果ようなもの。
私は潔い心持ちで、とことん“旅の終わり”を演出いたしました。

いつもより少し感傷的であるのが、旅の終わりの上質な楽しみ方。
思春期のような苦悩の果てのナルシズムがあれば、
旅はより価値のあるものになることでしょう。

アンデルセンは、こんな言葉を遺しました。
「旅は私にとって、精神の若返りの泉である」。

過去への回帰こそ、旅の醍醐味ではないでしょうか。

*
「Swallowtail Butterfly~あいのうた~」。
by YEN TOWN BAND

止まった手のひら ふるえてるの 躊躇(ちゅうちょ)して
この空の 青の青さに心細くなる

信じるものすべて ポケットにつめこんでから
夏草揺れる線路を 遠くまで歩いた

心に 心に 傷みがあるの
遠くで蜃気楼 揺れて

あなたは雲の影に 明日の夢を追いかけてた
私はうわの空で 別れを想った

汚れた世界に 悲しさは響いてない
どこかに通り過ぎてく ただそれを待つだけ

体は 体で 素直になる
涙が止まらない だけど

ここから何処へいっても 世界は夜を乗り越えていく
そしてあいのうたが 心に響きはじめる

ママのくつで 速く走れなかった
泣かない 裸足になった日も

逆さに見てた地図さえ もう 捨ててしまった

心に 心に 魔法があるの
嵐に翼(はね)ひろげ 飛ぶよ

私はうわの空で あなたのことを想い出したの
そしてあいのうたが 響きだして…
私はあいのうたで あなたを探しはじめる
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by katefactory | 2005-05-05 23:58 | 雑記
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